ABOUT– Discover Blueについて –

日本は総延長約3万5千kmにおよぶ海岸線と点在する島々のまわりの広大な海域を有し、ともに世界第6位の規模を誇ります。さらに、変化に富んだ海岸線や日本列島を取り囲むように存在する深海、さらに黒潮や親潮をはじめとした海流の影響受け、推定15万種以上の海の生物が暮らし、世界でも最も生物多様性が高い海域と考えられています。そして、その多くの生物たちは日本の自然豊かな山々をはじめとした陸域起源の栄養によって育まれています。この豊かな海がもたらす恵みは、水産資源としての人々の糧やレクリエーションだけではなく、気候や文化、災害などを通して、わたしたちの生活や日々の営みに大きな影響を与え続けています。

一方で近年、人為的影響の拡大が海の環境にさまざまな形で影響を及ぼしていることが明らかになってきています。

いつまでもこの海と暮らしていくために

海は「誰のものでもない」と考えられがちですが、正しくは、海は「人類共有の財産」です。決して、好き勝手に使ってよいものではなく、持続可能な利用のために社会全体で管理をする義務があります。「海が私たちに与える影響、私たちが海に与える影響を理解すること」を「海洋リテラシー」と言います。社会での「海洋リテラシー」を上げていくことが海の持続可能利用の最初の一歩となります。

海の環境、生態系は社会に知られていない

最近はSDGs(持続可能な開発目標)で「豊かな海を守ろう」と掲げられ、以前よりは社会の関心が寄せられています。しかし、通常、小学校や中学校のカリキュラムに海の生態系や環境など基本的なことは含まれていません。また、海のことについて学ぶ機会や施設等も非常に限られているのが現状です。

多くの人に海を知ってもらう機会が必要

地球温暖化に伴う海水温の上昇や人々の暮らしからもれ出すようにプラスチックや化学物質などが海へ流れ込むなど、人の暮らしが海に影響を与えています。また、海の資源や環境を漁業者や行政、海辺地域だけで守ることはできません。社会全体で多様な海の利用や多面的な海の価値の理解しつつ、海の持続可能利用を意識する必要があります。そのためには、海から離れて暮らしている人たちの含め社会全体で、自分たちの生活が海の環境に影響を及ぼしてしまうことを意識してもらう必要があります。

ディスカバーブルーがめざす未来

ディスカバーブルは、「Life with the Ocean 〜いつまでもこの海と暮らしていくために〜」を理念とし、専門的・学術的な知識に基づき、直接及び間接的に「海や海洋生態系を知ることの喜びと驚き」を提供することで、海に対するバリューチェンジと海をとりまく社会のソーシャルイノベーションを巻き起こしたいと考えています。

残念ながら、いまの社会では海の自然や生態系、環境に関する理解は不十分で、海がもたらす恩恵も含めて、その価値が十分に理解されていません。わたしたちは多くの人に海の価値をきちんと評価し、「自分たちが暮らすの領域に責任を持って、可能な限り環境に影響を与えないような暮らし」こそ「豊かな暮らし」であることを実感してもらいたいと願っています。

ディスカバーブルーでは、持続可能な「人」と「海」との関係が構築される未来をめざしています。科学技術の発展でより海を理解することも大切ですが、「どうすればいいか」を尋ねたり、誰かの指示を待つのではなく、「何をすべきか」「何ができるか」をひとりひとりが考え、周りの人や地域、そして社会全体で議論して、アクションをとっていくことが必要です。 

いつまでも、この海と暮らしていくために。

法人概要

特定非営利活動法人ディスカバーブルー

横浜国立大学発ソーシャルベンチャー(社会課題の解決を目的としたベンチャー)

設 立  :2010年10月12日

法人格取得:2011年 2月24日

理 念  :Life with the Ocean 〜いつまでもこの海と暮らしていくために〜

住 所  :〒259-0123 神奈川県中郡二宮町二宮96-4

      <真鶴オフィス>〒259-0202 神奈川県足柄下郡真鶴町岩479

TEL   :050-3657-2664
E-mail  :info@discoverblue.org

貸借対照表(過去5ヵ年分)

沿革

2009年  KSPベンチャー・ビジネス・スクール特別賞
2010年  神奈川県ソーシャルベンチャー事業化モデル事業 起業助成
      iSB社会起業プランコンテスト 入選・起業助成
2011年  かながわビジネスオーディション2011 奨励賞
      特定非営利活動法人格取得(2月)
2011年  神奈川県新しい公共の場づくりのためのモデル事業 採択(真鶴町と協働で採択, 2013年まで)
2013年  中央ろうきん助成 採択(海の出前授業, 2015年まで)
      文科省「公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム」(真鶴町が採択され、再委託)
2014年  真鶴町より「海の学校事業」を受託開始(現在まで)
2016年  地方創生事業アワビの中間養殖関連調査業務受託
2018年  「かながわ地球環境賞」受賞
      真鶴町から移住者促進に関わる補助金 採択
2019年  船の科学館「ミュージアムサポート」助成 採択
2020年  日本財団助成 採択(県内各地で出前授業を展開)、
      中央ろうきん助成「カナエルチカラ」採択

スタッフ

代表理事 水井 涼太

博士(環境学)

横浜国立大学 非常勤講師、神奈川大学 非常勤講師

地域力創造アドバイザー(総務省 地域人材ネット)

神奈川生まれ、東京育ち

東京都立日比谷高校卒業後、横浜国立大学教育学部、大学院環境情報学府修士課程、JAMSTEC(現:国立研究開発法人海洋研究開発機構)での勤務を経て、横浜国立大学大学院環境情報学府博士課程へ。在学中に同大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリーのポスドク研究員に採用され、2011年に大学発ソーシャルベンチャーとして、ディスカバーブルーを設立。2012年〜2017年横浜国立大学統合的海洋教育研究センター特任教員、2020年〜地域力創造アドバイザー(総務省 地域人材ネット)、現在は横浜国立大学 非常勤講師、神奈川大学 非常勤講師を務める。

専門は海洋生物、海洋教育、総合的海洋管理、海を活かした地域振興等

事務局長 寺西 聡子

修士(環境学)

福島県出身。横浜国立大学教育人間科学部、大学院環境情報学府修士課程修了。生物海洋学研究室に所属し、真鶴町内にある横浜国立大附属臨海環境センターに通い、毎月実習船でサンプリング調査を実施。研究テーマは海洋バクテリア。民間のIT企業勤務後、2012年から現職。

顧問 渡部 孟

元・真鶴町立遠藤貝類博物館館長

神奈川県出身。理科の教員として真鶴中学校に赴任し、兼務として横浜国立大学教育学部附属理科教育実習施設(当時)での研修指導助手として勤務。その後、湯河原中学校等、県西の小中学校を歴任し、退職。2006年真鶴町社会教育指導員として、海の学校事業を開始。2010年、初代真鶴町立遠藤貝類博物館館長を経て、2014年から現職。