真鶴自然こどもクラブ 〜真鶴の魚を知ろう!〜

11月3日(土)に「真鶴自然こどもクラブ 真鶴の魚を知ろう!」を開催し、魚市場見学と魚の解剖を行いました。

朝7時、真鶴町の真鶴漁港に集合し、魚市場の見学をしました。真鶴町の「海を学び、海に親しむ場づくり協議会」にもご参画していただいている、真鶴町漁業協同組合の課長、朝倉一志さんに案内していただきました。

シイラ
マルソウダガツオ
最初に、今日水揚げされたさまざまな魚について説明していただきました。シイラやカツオ、カマス、カンパチ、ウルメイワシなどなど、定置網などでとれた真鶴の魚を紹介していただきました。この日の水揚げは約4トンとのことでした。
競りの様子
定置網の説明(説明は漁協の朝倉課長)
その後、とれた魚を-30℃以下で保存するための冷蔵庫や魚を出荷する際に使う氷の貯蔵庫など魚市場の設備を案内していただいたあとに、真鶴の漁業について説明していただきました。相模湾にちょこっとでている小さな真鶴半島の周辺には、なんと大小8基の定置網が入っているそうです!相模湾の中でもそれだけ真鶴半島周辺海域は豊かな海ということを教えていただきました。また、定置網に入ったおよそ8割の魚は網の外に逃げていき、2割だけを水揚げしていて、取りすぎることはなく、持続可能な漁法であることを説明していただきました。真鶴町漁協では定置網を漁師さんが自ら作り上げることができる、日本でもいまでは数少ない技術をもった漁協さんだそうです。(ちなみにメインの定置網は長さ400m以上、固定するためのおもりに使う土嚢は2万個だそうです!)
さらに、いま漁業が抱える問題とともに、きついけれども海の自然と共に生き、美味しい魚がたくさん食べることができる漁業という仕事の魅力をお話され、小学生のみんなにぜひ漁師になることも将来の選択肢の一つに入れて欲しいとお願いしていました。この中から、真鶴の漁業を担う漁師さんが将来誕生したらうれしいです!朝倉さん、ありがとうございました。
その後、漁港や魚介類などの供養をしている「鯖大師」など散策しながら、徒歩で横浜国立大学臨海環境センターに向かいました。
網にかかったって捨てられたものを探索中
港から小さな坂道をのぼり鯖大師へ

 漁港ではエビ網と呼ばれるイセエビをつかまえる網を干している場所のそばで宝さがしをしました。エビ網には様々な生物がかかりますが、その中には食べられないものもかかります。漁師さんは捨ててしまうのですが、実はそこには地域の海の姿を知る、めずらしい生物が混ざっています。今回もサンゴのなかまや磯にはいない生物などが見つかりました。そこから小さな坂道を上って、港を望む素敵な町並みを通り抜け、鯖大師を見学しました。


横浜国立大学臨海環境センターでは、真鶴町漁協さんから提供していただいた、サバ、マルソウダガツオ、カマスを解剖して、魚の体や胃の中身を観察しました。参加してくれたこどものほとんどが、魚をさばいた経験がなかった様ですが、お父さんやお母さん、スタッフの力をかりて、上手に解剖することができました。魚の内蔵を観察した後、胃の中身(胃内容物)を顕微鏡で観察し、動物プランクトンなどを確認することができました。そして、解剖の後は、責任をもって自分で解剖した魚を炭火で焼いて試食しました。みんながビックリするくらい美味しさで、お母さんからは「家ではこんなに食べないのに」と言う声が出るくらい、夢中になって食べていました。笑

はさみを使って上手に解剖
みんなで魚を炭火で焼いてます
ソウダガツオ、サバ、カマス
とれたてを炭火で焼いて美味しくいただきました

 これまでこのクラブで観察をしてきた生物たちが魚のエサになることで、みんなも間接的に恩恵を受けていたことなどを観察とレクチャーを通して実感してもらえたと思います。
豊かな海の自然は、まわりにある丹沢や箱根などの山や森から川を流れてくる栄養に支えられています。山と海との間に暮らす私たちはその恩恵を常に受けていること、自然豊かな(そして美味しい魚をいつも食べられる!)地域に暮らせる喜びをいつも忘れずにいてもらいたいと願っています。


とっても素敵な秋の土曜日でした。




「真鶴自然こどもクラブ」、「海を学び、海に親しむ場づくり協議会」は、真鶴町と特定非営利活動法人ディスカバーブルーが提案し、神奈川県新しい公共の場づくりのためのモデル事業に採択されたプロジェクト「Life with the Ocean まなづる 〜海を学び、海に親しむ場づくり〜」の一環として実施しています。

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