2月25日に、真鶴町役場の職員のみなさんや観光協会、商工会の関係者のみなさんを対象に、「海の自然を活かしたまちづくり研修会」を開催しました。この研修会は、これまでも町内の海の自然や生物などをテーマに開催してきましたが、今回は「お林」と呼ばれる真鶴半島の照葉樹林について、神奈川県立生命の星・地球博物館 大西学芸員を講師にお招きして講義して頂きました。
「お林」は、江戸時代にクロマツを植林されて以来、300年以上に渡り開発されずに残され、現在では、自然植生への変遷によりスダジイなども多く見られる照葉樹林となっています。町民のみなさんにとっても、自然観察や散歩など憩いの場となり、町の財産として大切に思っている方々が多くいらっしゃいます。
研修会は、午前と午後2回開催とし、どちらも前半では、大西学芸員による「植生からみたお林の価値」として、植物学者からの専門的な視点によりお林の価値を解説頂きました。
大西学芸員より、専門家から見たお林の価値についてお話しいただきました。 |
後半では、町役場企画調整課の卜部課長より、お林の保全や利用に関する現状や今後の方針などについてお話し頂きました。
参加者のみなさんも「お林」についての関心が非常に高く、講義後にはご意見やご質問を頂き、有意義なディスカッションを行うことができました。
午後の研修では、講義の後にお林を実際に歩いて観察し、大西学芸員から解説して頂きました。普段、何気なく見ているお林ですが、専門家のお話を聞きながらだと、生えている木の種類とその生態、植物の葉の色や香り、お林ならではの歴史など、次々と新しい発見や気づきがあり、時間がまだまだ足りないようでした。町の資源をどう保全するか、利用するかは大変難しい問題ですが、このような研修会はその価値を知り、考えるためのヒントとして利用していただければと思います。
お林を歩いて観察。 |
大西学芸員の解説。 |
お林を下から見上げたところ。他の樹木より高く飛び出しているのはクロマツ。 |
※今回のイベントは、文部科学省 公民館を中心とした社会教育支援事業の一環ととして、真鶴町立遠藤貝類博物館と特定非営利活動法人ディスカバーブルーが企画・実施しました。