2018年3月18日(日)は「海のミュージアム「磯の生物観察会」「海の自然実感教室」」を開催しました。
午前中の「磯の生物観察会」は、天気予報では晴れとのことだったので、もう少しポカポカ春の日差しを期待していましたが、期待に反してまだ薄曇りの中の開催となりました。
ご参加の方の中には、シーズン開けのイベントを楽しみにされていたとのことでスタッフもうれしかったのですが、張り切ってウォーターシューズで潮だまりに入ったお子さまは寒かったようです。
海の季節は、陸上より遅れてやってきます。3月に入っても水温はまだ14度程度と一年で一番低いのです。
それでも春の磯らしく、海藻が繁茂して一面グリーンになっていました。それを餌とするアメフラシが多く見つかるのは、この時期だけのお楽しみです。
スベスベマンジュウガニも見つかりました。丸くて可愛らしいのですが、体内に毒を持つので食べると危険です。
みなさんが見つけた生物をもって集合し、どんな生物がみつかったか解説をしました。
冬の主役、マナマコもたくさん見つかっていました。例年より遅い時期まで見られるようで、この冬が寒く水温が低いことに関係しているかもしれません。
午後は、「海の自然実感教室」を行いました。
磯で観察できる生物のさらに詳しい話や、真鶴の定置網などにかかる魚の話をしました。
標本も実際に触って観察していただいています。
その後はプランクトンも観察しました。真鶴港でスタッフがあらかじめ採集したものを顕微鏡で観察してもらいますが、実は肉眼でもよーく目をこらすと小さな生物がたくさんいるのがわかります。ライトを当てると見えやすいので、顕微鏡観察の前にみなさんで見ていただきました。
海の中に春が来ると、植物プランクトンがいっせいに増えて海水がグリーンに濁る「春濁り」という現象が発生します。今年はまだ始まっていないのですが、顕微鏡で観察すると、丸い珪藻のコスキノディスクスの仲間がたくさん見られました。冬よりは植物プランクトンも増えてきているので、少しずつ海の中にも春が近づいてきているようでした。
ちなみに、今回は写真中央右寄りにはウニの幼生(こども)も見つかりました。この後、あのおなじみのトゲトゲの形へ変化していきます。
次回の海のミュージアムは4/1(日)に開催予定です。
※今回のイベントは、真鶴町立遠藤貝類博物館と特定非営利活動法人ディスカバーブルーの主催で実施しました。