2019年7月21日(日)は、海のミュージアム「磯の生物観察会」を開催しました。
夏休みに入ったばかりの日曜日、小学生のご家族や海の生き物好きダイバーさんグループなど、たくさんのみなさまにご参加いただき、にぎやかな観察会となりました。
磯の生物観察会は、干潮時刻に合わせて開催していますが、当日はお昼過ぎの干潮だったたので、今回の海のミュージアムでは午後から磯の生物観察会のみを実施しました。
お天気は曇り空。梅雨が明け、夏らしい青空と青い海を楽しめるのは、もう少し先になりそうですが、磯の生物観察会にはこのくらいのお天気がちょうど合っています。暑すぎると参加者のみなさんも熱中症などの心配がありますが、海の生物たちもかんかん照りの太陽の下では弱ってしまったり、より水深の深いほうへ移動してしまいます。
真鶴町立遠藤貝類博物館に集合後、はじめのレクチャーを行い、三ツ石海岸に移動しました。このレクチャーでは、磯での生物のつかまえ方や安全に活動を行うためのお話に加え、海の基本のお話や相模湾や真鶴の海の環境や生物などのお話もしています。磯の生物以外のことも知っていただけるので、ちょっとおすすめです。
三ツ石海岸では、潮だまりや石がごろごろとしている転石帯などで、みなさん一緒に生物を探していただきました。網で魚やエビを探すのも楽しいですが、網ではつかまえにくい、カニやナマコ、貝やヒトデなどを軍手をつけた手でつかまえてみると生物の硬さややわらかさも感じることができます。生物に触れて楽しむことができるのは、磯の生物観察の醍醐味です。
1時間ちょっと、生物を採集した後、みなさんで集合しました。
何が見つかったか、それぞれご参加のグループごとにじっくり観察タイムです。
今回は、熱心にメモをとっている小学生がとても多くいました。
聞いたら、夏休みの宿題のために生物の種名を記録しているとのことでした。その後もスタッフに熱心に質問をしたりしていました。見つけた生物と種名、スケッチや写真と特徴などを書くだけでも、おもしろい自由研究になります。ご家族で楽しみながら宿題も進められるなんて一石二鳥!
生物は、ナマコが多く見つかっていました。
ニセクロナマコ、テツイロナマコ、マナマコ、トラフナマコ、イソナマコ、ムラサキクルマナマコ。三ツ石海岸でよく見るナマコが勢ぞろいでした。
ナマコ6種とヒトデ、ウニ、クモヒトデ。棘皮動物のなかまたち。 |
また、ベテランチームが魚類をつかまえてくれていました。しましま模様がかわいらしいカゴカキダイなどやや南方系の幼魚もが多くなっています。今年はいつもの年より早めに季節来遊魚が来ているかもしれません。
魚はしましま模様のカゴカキダイの幼魚、キタマクラ幼魚、クモハゼ。 エビはイソスジエビで卵を抱えていました。 |
観察会では、見つけた生物についてスタッフから解説をしています。生物の名前だけではなく、どんな生活をしているのか、エサや習性などの生態やからだの形の特徴などを紹介しています。自分でつかまえて、ちょっと詳しく知ることで、おもしろいなと興味を持ったり、身近に感じたりしていただけるとうれしいです。
もちろん、解説の内容も宿題にもピッタリかと思いますので、この夏、宿題のテーマとしてもぜひご参考にしてみてください。
カニのなかま解説中。 |
次回は8月3日(土)の開催です。午後の海の自然実感教室では顕微鏡でのプランクトン観察もできます。
※今回のイベントは、真鶴町立遠藤貝類博物館と特定非営利活動法人ディスカバーブルーの主催で実施しました。