2019年7月15日(月・祝)は、海のミュージアム「磯の生物観察会」と「海の自然実感教室」を開催しました。
当日は、「海の日」ということで、たいへん多くのみなさまにお申し込みをいただいていました。ところが、今年の梅雨ぐらい毎日雨が降る年は珍しいのではないかというほど、真鶴も連日の雨つづきで、海の日もお天気が心配でした。
それでも、なんとうれしいことに、イベントが開始する直前に雨が止み、午前中は予定通り「磯の生物観察会」を実施することができました。
イベントでは、真鶴町立遠藤貝類博物館に集合後、磯の生物観察をする前に、みなさんにレクチャーをさせていただいています。生物の見つけ方はもちろん、安全に活動するためのポイントや海についてのお話などをお伝えしています。このお話は大切ですので、しっかり聞いてからご参加いただくと、より磯での体験を楽しんでいただけると思います。
前回の6月22日も雨天のため中止だったので、海のミュージアムとしては1ヶ月ぶりの磯の生物観察会でしたが、たくさんの種類の生物に出会うことができました。
ご参加のみなさんは、お子さまはもちろん、お父さんやお母さん、今回はおじいちゃんおばあちゃんとご一緒にご参加のご家族もいらして、みなさま楽しんでいただけたようでした。
自分でさがして、自分でつかまる体験の楽しさは、大人も子ども変わりません。
生物をさがす時間は、毎回1時間半ほどですが、今回は気温が低いこともあり少し短めの1時間ちょっととさせていただきました。それでもたくさんの生物が見つかっていました。見つけた生物は、海岸まで持って集合してみなさんで観察し合います。
カニのなかまでも、甲羅の背中側に海藻をつける種類がいます。海藻の森に隠れてじっとしているので見つけるのが難しい種類です。
左からイソクズガニ、ヨツハモガニ、コワタクズガニ。
海の生物好きのみなさんの中でもファンが多いウミウシのなかま。
今回は6種類と、いつもより多く見つかっていました。
左上:ホンクロシタナシウミウシ、右上:イソウミウシに近いなかま
右:サガミミノウミウシ、下:ツヅレウミウシ
ウミウシのたまご。
リボン状のうずまきが岩に張り付いています。よく見ると卵の一粒一粒が見えます。
午後の「海の自然実感教室」は室内で行うプログラムです。通常2プログラムを行なっています。
1つ目のプログラムは、海の生物の標本を観察しながらのレクチャーです。磯の生物観察会でもたくさんの生物を見ていただきましたが、海の生物はそれだけではありません。真鶴の海の生物を中心に、様々な海の生物のおもしろいについてお話ししました。
2つ目は、プランクトンの観察です。当日の朝、スタッフが真鶴港で採集してきたプランクトンを顕微鏡で観察していただきました。顕微鏡は、一人1台ずつお使いいただけますので、思う存分、小さな海の生物の世界をお楽しみいただけます。
海中のプランクトンは、季節や朝・夕などの時間帯によって異なるほか、気温や水温、日照時間や天候、海流などさまざまな条件で絶えず変化しています。そのため観察会でも毎回違った様子が観察できます。
今回は、植物プランクトン珪藻のなかまが大発生していました。このグループは毎年春に増えるのですが、今年はこの梅雨の時期に大発生していて、定期調査を行っている横浜国立大学の調査でも、定常的な変動とはちがう様子が観察されています。
また、今年はヤコウチュウも大量発生しています。赤潮の原因でもあるヤコウチュウですが、ぶつかるなど衝撃があると発光するで、海の自然実感教室でも暗室でその様子を観察していただきました。とてもきれいなので、参加者のみなさんにも人気です。(ヤコウチュウが多い時にだけ観察いただけます。)
次回は7月21日(日)の開催です。午後の干潮時刻に合わせて、磯の生物観察会のみの開催となります。
※今回のイベントは、真鶴町立遠藤貝類博物館と特定非営利活動法人ディスカバーブルーの主催で実施しました。
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