午前中は、梅雨の中休みの青空に恵まれ、三ツ石海岸で磯の生物観察会を実施することができました。外出自粛要請を受けて、スタッフもほとんど磯へ出ることがなかったので、久しぶりの三ツ石海岸での磯観察となりましたが、カニやヤドカリ、ナマコや貝のなかま、ハゼのなかまなども、例年のこの季節と変わらず、元気な姿を見せてくれました。中でもニセクロナマコが目立ち、ご参加のみなさんは、子どもも大人もその不思議な姿や数の多さに驚ろかれていました。
毎年春に産卵シーズンを迎えて大人気のアメフラシは、どうやら産卵を終えてしまったようで、今回見られなくなってしました。海のミュージアムでご紹介できなかったのは残念ですが、また来年、三ツ石海岸で会えるのを楽しみにしたいと思います。
その一方で、白くて可愛らしいシラユキウミウシが海のミュージアムに初登場しました。海にはたくさんの種類の生物が暮らしているので、磯の生物観察でも、見たことのない生物との出会いがあります。どんな新しい発見があるのかと毎回わくわくしながら楽しむことができます。
午後は真鶴町立遠藤貝類博物館のテラスで、海の自然実感教室を開催しました。
今回は、海藻おしばづくりを行いました。予め、スタッフが拾った海藻も用意しておきましたが、午前中の三ツ石海岸で拾った海藻も使用しました。
海藻は、真鶴でも年末ごろから生え始め、時期によって種類を変えながら海岸を覆ったり、岩礁や港の中でゆらゆら揺られるようになります。本格的な夏を迎えると、ほとんど姿を消してしまうので、海藻を自分で拾って観察できるのも今の時期までのお楽しみです。緑藻、褐藻、紅藻と色素の違いによってさまざまな色彩を見せる海藻をおしばにして、持ち帰っていだきました。おしばにして海藻をきれいに広げると、繊細なからだのつくりを詳しく観察することもできるようになります。色とりどりでさまざまな形の海藻は並べるだけでまさに自然のアートを楽しむことができます。
後半は、プランクトンの観察を行いました。この時期の海は、冬に比べると緑色に見えていますが、海中の植物プランクトンの増殖が原因です。顕微鏡で観察すると、珪藻のなかまが多く見られました。また、ヤコウチュウも春から増えるプランクトンの代表種。第増殖すると赤潮と呼ばれ、海面を赤色に染めるのでご存知の方も多いようです。今回、赤潮は発生していませんでしたが、採集した飼料にはヤコウチュウも多く入っていました。
次回の海のミュージアムは、7月4日(土)に開催予定です。
新型コロナウィルス感染症予防として、スタッフの対応やイベントの進行方法・会場設営にも対策を講じつつ、みなさんに海の自然をお楽しみいただけるよう努めてまいります。
対策内容やイベントの詳細は、下記のページよりご確認いただけます。
ぜひ、ご覧ください。
※今回のイベントは、船の科学館「海の学びミュージアムサポート」の助成を受け、特定非営利活動法人ディスカバーブルーが真鶴町立遠藤貝類博物館との共催で実施しました。