11月30日(日)は、「真鶴町 三ツ石海岸 海に親しむイベント 海のミュージアム『なぎさは自然の博物館~ビーチコーミングで漂着物をあつめてみてみよう~』」を開催しました。
今回の参加者のみなさんの中には、千葉や三浦半島、湘南などでビーチコーミングをよくされている方が多かったので、最初のレクチャーではビーチコーミングとは何かということよりも、三ツ石海岸の海洋環境と、これまでスタッフが出会った漂着物などを紹介させていただきました。
その後、三ツ石海岸へ移動して漂着物を探しました。11月の末日でしたが、冬の初めのやわらかい日差しがぽかぽかと暖かくビーチコーミング日和となり、気持ち良くビーチコーミングを楽しんでいただくことができました。
みなさんそれぞれに、岩の隙間や砂浜、波打ち際などバケツや袋を手に海岸を足元を熱心に見ながら海辺を散策していました。
海岸にいくと、海藻や草木、ゴミなどが波打ち際に平行にベルト状に集まっているときがあります。それらは、海を漂ってきたものが波で海岸に打ち上げられたものなので、そこを探すと面白い漂着物を見つけられることも多く、みなさんと一緒に観察してみました。
40分ほどの採集で、たくさんの漂着物が見つかりました。漂着物は、それがどこから来たのかを考えることで、「海のもの」「陸のもの」「人工物」大きく3つに分けることができます。
「海のもの」は、海でビーチコーミングをしているので、貝殻やフジツボの
殻などの生物のからだが見つかるのは当たり前のような気がしますが、三ツ石の磯ではあまり見られない生物のものも見つかったりします。今回は魚の背骨の太いものやウミガメの骨などが見つかりました。
「陸、山のもの」は、クルミやドングリをはじめとした木の実が多く採集されていました。三ツ石海岸のすぐ上は「お林」と呼ばれる森林で、クロマツやスダジイが生えていますので、松ぼっくりやスダジイの実は多いのですが、それ以外に見つかったオニグルミ、ヒメグルミ、スダジイ以外のドングリなどは、真鶴半島にはない種類なので、別の地域から川を伝って海に出て、海流に流されて三ツ石海岸に流れ着いたのだろうと考えられました。
「人工物」には、ビン、缶、プラスチックなどでできたものがたくさんありました。浮きやアナゴなど漁の道具も多くありましたが、その中には、真鶴などの漁師さんが使用しているものではなく、中国や韓国の漁業者のものと思われる漁具もありました。
こうして、海に打ち上がった漂着物を観察すると、その地域の海や陸の自然のことだけでなく、もっと遠くの海の自然や陸の自然、外国の人の生活などにも触れることができます。これも海がつながっていて、海流が巡っていることによるものだと思うと、海に親しむ方法としてビーチコーミングの面白さを改めて実感しました。
2014年の「真鶴町 三ツ石海岸 海に親しむイベント 海のミュージアム」は、今回のイベントで終了となります。ご参加いただいた皆様、ブログを閲覧頂いた皆様、どうもありがとうございました。来年も、海の魅力をお伝えできるイベントを開催してまいりますので、どうぞよろしくお願いします。
※今回のイベントは、文科省 公民館を中心とした地域活性化支援事業プログラム「海の自然を活かした地域振興~海を学び、海を活かした場づくり」事業の一環として、真鶴町立遠藤貝類博物館と特定非営利活動法人ディスカバーブルーが企画・実施しました。