2月22日(土)は、「海のミュージアム 豊かな海の自然とその恵み~ひものづくり体験とプランクトン観察~」を開催しました。今回は真鶴町漁業協同組合との連携イベントとしてひものづくり体験を行い、加えて、魚のえさになるプランクトンの観察とそれらを育む真鶴の海の沿岸の自然観察を行いました。
午前中は、真鶴町漁協にご協力頂き、漁港近くにある旧梅原水産の作業スペースにてひものづくり体験を行いました。
真鶴町漁協の朝倉さんにご指導頂き、まずは参加者のみなさんでアジを捌きました。魚をおろすのは初めてというかたも多くいらっしゃいましたが、朝倉さんのアドバイスであっと言う間に5匹を開き終わりました。その後、魚は水洗いし、塩水に浸してから乾燥させて完成を待ちます。
当日は、神奈川県のいいことを探してまちあるきをする”いいにゃクリエイター”の「かにゃお」も遊びにきてくれていて、みなさんの作業を応援してくれました。おかげで、参加者のみなさんも、より楽しんで頂けたようでした。
ひものを乾燥させている間に、真鶴港で魚のえさとなるプランクトン(浮遊生物)を採集し、観察場所の町立遠藤貝類博物館までの道のりを自然観察しながら歩きました。漁港周辺では、定置網のロープやブイについているフジツボやムラサキイガイなどの付着生物をご紹介し、山下浜~琴ヶ浜までの海岸沿いの遊歩道では、さまざまな生物が生活する磯の豊かな環境についてお話しました。琴ヶ浜では神奈川県の天然記念物のクロサギがいましたが、これらの鳥類も小魚やカニ、貝類など、えさとなる生物が豊富な磯に集まってきます。
真鶴町の海の自然を観察した後は、県の自然公園に指定され、また、その照葉樹林が天然記念物にもなっている「お林」の中を歩きました。大切に保護されてきた歴史や「お林」でよく見られる植物や森林の特徴などもご紹介しました。
博物館に到着してお昼をとってから、真鶴港で採集したプランクトンを顕微鏡で観察しました。当日は、主に植物プランクトンの珪藻(けいそう)のなかまや、動物プランクトンのカイアシ類のなかまを観察することができました。
最後のまとめのレクチャーでは海の生物たちのつながりについてお話しました。植物プランクトンは海の中で光合成を行い、動物プランクトンに食べられ、その動物プランクトンはシラスなどの小魚に食べられ、そしてその小魚をアジなどが食べています。私たちが海の魚を食べられるのも、プランクトンに支えられている海の自然の恵みを受けていることになります。今回作ったひものも、海の自然の恵みを実感していただき、よりおいしく味わって頂けたのではないでしょうか。
今年度の「海のミュージアム」は今回で終了です。ご参加頂いたみなさま、ご協力頂いたみなさま、本当にありがとうございました。来年度も、海の自然や生物について楽しみながら知って頂けるイベントを開催予定です。ぜひ、また遊びにきてください。
※「海のミュージアム」は、文部科学省「公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム」事業として、真鶴町立遠藤貝類博物館が主催し、Discover blueが実施しています。