町内の港でプランクトンを採取して、顕微鏡で観察するプログラムは、夏休み恒例の町内のイベントです。
暗くなり始めた頃に集合し、岩漁港へ移動してプランクトンをつかまえました。
夜の港に来るチャンスはなかなかないので、子どもたちもそれだけでわくわくしているようすでした。港の水面をライトで照らすと、魚やイカのこどもが泳いでいたり、強い刺胞毒をもったアンドンクラゲが漂っていたりと、プランクトン以外にも、港の生物たちにも出会えました。
プランクトンは、プランクトンネットを使って、1人ずつ自分たちでつかまえてもらいました。つかまえたプランクトンは、ペットボトルに入れてそっと運び、自分でつかまえた「マイプランクトン」を観察してもらいました。
プランクトンネットでプランクトンをつかまえる |
つかまえたプランクトンをペットボトルに入れて持ち帰ります。 |
観察は、一人一台、顕微鏡を使って行います。小学1年生参加していましたが、使い方を説明してチャレンジしてもらうと、上手に使って楽しんで観察できているようでした。
昼間はやや深いところにいる動物プランクトンが、日没後は表層に上がってくるので、夜に港でプランクトンネットを引くと、たくさんの動物プランクトンをつかまえることができます。
カイアシ類やエビ、カニの幼生はぴょんぴょんはねるように動き、貝やゴカイの幼生はする~っと滑るように移動します。よく動くので、顕微鏡をのぞくだけでも面白いのですが、そのうちに興味が深まるようで、そのプランクトンがなんなのか「これなんですかーー!!」と質問が会場のあちらでもこちらでも聞こえるようになりました。
採取したプランクトンを投影して影で動きを見てみよう。 |
オヨギゴカイの一種 |
また、大発生すると赤潮を引き起こすヤコウチュウは、暗闇で刺激を受けると青く光る性質があり、つかまえてきたペットボトルを揺らして発光を観察するのは、夜のプランクトン観察会でのお楽しみの一つにもなっています。今年は、2日目と3日目できらきら光る様子を観察することができました。
最後は、海の生態系の中でのプランクトンの担う役割について学び、真鶴町の漁業とのつながりをお話ししました。
今年は、感染症対策として、1回の人数を減らして回数を3回に増やしての開催としましたが、それでも例年よりは少ない定員となってしまい、参加できなかった子もいたとのことでした。来年はこれまで通りに楽しんでもらえる状況に回復していることを願っています。
※今回のイベントは、真鶴町教育委員会の主催で「真鶴町立遠藤貝類博物館 海の学校」事業の一環として指導・実施しました。