4月24日(日)は、「海のミュージアム」として、午前中は真鶴町三ツ石海岸での「磯の生物観察会」、午後は室内プログラム「海の自然実感教室」を行いました。
当日は風が強く、弱い雨も予想される天候でしたが、20名弱のみなさまにご参加いただくことができました。
潮がよく引いた三ツ石海岸に出てみると、産卵シーズン真っ只中のアメフラシが早速みなさまを迎えてくれ、盛り上がりました。
アメフラシは、黒くて、ぬるっとしていて、この時期はさらにサイズも大きいので、初めて見た方にとっては、インパクトが大きいと思います。大人でもちょっとドキドキしますが、小さなお子様も、お父さんと一緒に少しずつ触れるようになっていました。
一度撫でてみると、おとなしくて、やわらかいので、かわいらしさを感じ、観察会の間にファンになってしまう方も多いです。
生物採集のあとは、全員で集まって、みなさんでどんな生物が見つかったかを観察しました。多くの生物が生息する三ツ石海岸ですが、ご参加いただいたみなさんで一緒に探すことで、本当にさまざまな種類を見つけることができます。
降り出しそうな雨が心配だったので、見つかった生物の解説は、町立遠藤貝類博物館のテラスで行いました。
大きなアメフラシのほか、カニやヤドカリ、ナマコなどもたくさん見つかりました。小さくて白地に橙の模様のアカボシウミウシもきれいでした。
アカボシウミウシ。写真の個体は体調2cmほど。 |
<観察・解説した生物>
軟体動物22種、環形動物1種、節足動物12種、棘皮動物11種、脊索動物2種 合計 48種
今回の海のミュージアムは、午後のプログラムとして「海の自然実感教室」を開催しました。こちらは、室内で海の自然や生物を身近に感じてもらうプログラムで、海についての基礎知識をご紹介してから、海の生態系を支えるプランクトンの顕微鏡観察のほか、毎回さまざまなレクチャーや実験を楽しんでいただきます。
今回は、「海の話」とプランクトン観察を行いました。プランクトンの観察では、予め、真鶴港で採集した試料を観察していただいていますが、ふだんの真鶴港の試料にはあまり見られないような、変わった種類を多く観察することができました。数日前から吹いていた南西の風によって、港内に沖合の海水が入り込み、それによって沿岸では珍しい種類が出たのかもしれません。
季節による変化はもちろん、天候や風などさまざまなことが原因となって海の中の見えない生物層も刻々と変化し、今回のように珍しい種類に出会えることもプランクトンや生物観察の魅力です。
スマートフォンやデジタルカメラで顕微鏡で観察した生物を撮影いただけます。 |
プランクトン試料を投影機で映写して観察中。それぞれの動きがよくわかります。 |
顕微鏡の操作も完璧。珍しい種類もたくさん見ていただけてよかったです。 |
今日一のプランクトン。翼足類のなかまです。 翼のような軟体部を動かす様子が翼をはためかせているようです。 |
※今回のイベントは、真鶴町立遠藤貝類博物館と特定非営利活動法人ディスカバーブルーの主催で実施しました。